自分の文章、他人の文章を問わず 研究分野での校正に活躍
静岡文化芸術大学 文化政策学部 国際文化学科 准教授
武田 淳 様
(ご利用プラン:スタンダードからプレミアムへ変更)
開発人類学と環境社会学を専門とする武田淳様は、コスタリカやパプアニューギニアの農村でフィールドワークを行い、現地の生活者の視点から「より良い国際協力とは何か」を考証してきました。研究活動においては、自身の書いた文章のほかにも学生指導など、日本語のテキストをチェックする機会が多く、2024年春に文章校正AI「Typoless」の利用をスタートしました。
- 学生や他の研究者の文章校正をTypolessに任せて、内容への集中が可能
- 同音異義語の指摘が新たな学びに
- 学生自身の文章チェックにも有効
10万字の著作や学生の論文チェックに活用
文化人類学の分野でも成果物は図表よりも文章で表現することが多く、仕事柄さまざまな文章をチェックしなければなりません。オリジナルの研究の論文であれば、数万字単位の文章を校正することが求められます。私自身の論文や著書に加えて、学生が書いてきた卒業論文やレポートを添削します。また、学会では、他の研究者が書いた論文の内容をチェックしたり、意見を述べたりする機会もあります。
私が昔から苦手意識を持っていたのが、自分で書いた文章を自分で見直すこと。目を皿のようにして間違いを探してみても、なかなか気づけないものです。文章量が多い著書などは、学生にアルバイト代を出して校正を手伝ってもらうことがありました。
静岡文化芸術大学 文化政策学部 国際文化学科 准教授 武田 淳 様
何か校正サービスのようなものがないかと、ネットで検索して見つけたのがTypolessです。文章のプロである新聞社が開発したという信頼感があり、最初の2週間は無料で使えるので、試してみることにしました。自分が書いた文章を校正してみたら、今まで気づかなかった誤字を見つけることができ、操作も簡単だったため、そのまま有料の契約をして使っています。
校正サービスを利用する時に懸念していたのは、入力した文章が外部に流出することでした。仕事柄、作成する文章は未発表のものが多いからです。しかし、Typolessは、校正した文章がサーバー内に保存されずに削除されることから、安心して使うことができます。
ちょうど今取り組んでいるのが書籍の執筆で、トータルで10万字程度。少しずつ書き進めており、その日の区切りがついたらTypolessを1回かけてみて、間違っているところがあれば修正するという使い方をしています。1日2,000字から多いときで1万字くらいでしょうか。
学生の書いた論文の添削に関しては、内容について指導するのが主目的ですが、誤字脱字に気づいた場合には修正を入れていました。そうするとチェックが中途半端なものになってしまうので、誤字脱字などのチェックは校正AIに任せて、私は内容の確認に集中するようにしています。
同音異義語の提案はプレミアムプラン限定の機能です
たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大が「シュウソクする」という趣旨の文章をチェックしたことがあります。最終的には自分が書いた「収束する」を採用したのですが、「終息する」という提案も出してくれたことで、伝わるニュアンスの違いに気づくことができました。ほかにも「産出する」「算出する」の違いなどを考えながら校正できるのは面白いですね。
学生が使うという観点でも、Typolessは有効だと感じました。生成AIのように文章を作ってもらうわけではないので、自分が作った文章をチェックする分には全く問題ないと思います。特に日本語を第2言語とする学生にとっては、話すのは上手であっても、書くときに細かい日本語の機微を表現するのは苦手な場合があります。そのような学生たちは日本語ネイティブの友人にチェックを手伝ってもらっていることが多いので、校正ツールがあれば便利になるかもしれません。
使い方を学べるコンテンツの充実に期待
Typolessに欲しい機能としては、同じようなミスや個人のクセを指摘してくれたらいいなと思っています。ただ、Typolessは入力した情報を読み込まないため学習しない仕様で、文章の内容が流出するリスクを防いでいると聞きました。我々が校正をかける文章は基本的に発表前のものが多いので、それは逆にTypolessの特徴であり魅力でもあると感じています。
ご活用ポイント①
カスタム辞書……AI校正だけではカバーしきれない独自の用語ルールや個人的に多いミスなどを、ユーザー自身で登録可能です。※プレミアム以上のプラン、ならびにエンタープライズ契約限定の機能
私自身、まだTypolessを使いこなせているとは思っていません。AI校正が単純な誤字脱字以外にどういう領域までカバーしてくれるのかを、使いながら確認していきたいです。文法上の提案をしてくれる「良文サポート」機能にも興味があります。
ご活用ポイント②
「良文サポート」機能……冗長な表現や助詞の連続、100文字を超える文章を指摘して、文章をより読みやすくするサポートします。※プレミアム以上のプラン、ならびにエンタープライズ契約限定の機能
ですから、Typolessの便利な利用法や機能などを教えてくれるようなコンテンツなどがあれば、もっと便利になると思います。動画などで使い方を学べると、初心者にとっては非常にありがたいですね。支払い方法の選択肢を増やすなど、ユーザーがより使いやすいようにサービスが充実していくことを期待しています。
後日、武田さんはTypolessのプレミアムプランにアップグレードしてくださいました。プレミアムプランでは、カスタム辞書や良文サポートなど、より高度な機能をご利用いただけます。
(掲載内容は2024年7月時点の情報です。)