Typoless 導入事例 | 人材育成コンサルティング

MBK Wellness株式会社
サイコム・ブレインズ事業本部 様

炎上リスクの基準も提示、表現チェックの最後の砦

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  • 生成AIに任せるのが難しい、文章の最終チェックを担う存在
  • 個人差のある偏見や思い込みに対し、炎上のリスクを指摘
  • Microsoft OfficeやPDFなどの多様なファイルに対応

大手企業を中心とする人材育成支援において30年以上の実績を持ち、数多くの研修事業やコンテンツ開発を手掛けてきたサイコム・ブレインズ。事業の柱の一つでもある法人向けデジタルラーニングサービス「ビジネスマスターズ」において、配信するビジネス研修動画のラインアップの大幅な強化を進めている。コンテンツ制作の現場では、字幕や画面に表示する図表類、資料などの大量の文章チェックがボトルネックになっており、2025年6月に文章校正AI「Typoless」を導入した。教材動画コンテンツの制作過程に必要とされる校正や、生成AIと校正ツールの使い分けなどについて、 デジタルラーニング事業部の花木様に語っていただいた。

 

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動画のシナリオやスライド、字幕などを事前に校正

――「Typoless」導入に至る背景をお聞かせください。

花木喜英 様(以下「花木」) サイコム・ブレインズは新任管理者からグローバル、MBA(経営学修士)といった様々なテーマでの管理職研修を強みにサービスを提供しています。私たちの部署では、研修サービスの強化、補完や代替を目的としたコンテンツ配信型サービスの「ビジネスマスターズ」の開発を担当しています。変化の激しい時代にあって、企業が予算と時間をかけずに少人数から様々なテーマを学べるeラーニングを研修と組み合わせるのは必須のソリューションです。

企業内の人材育成で求められているのは、従業員が自律的に必要なテーマを必要な時に学習できるサブスク型のコンテンツと、企業が人材戦略に則って従業員を教育するために必要な専門的領域について作りこんだ専門的コンテンツです。両極端のコンテンツを制作するうえで、テーマが非常に広範囲に及び量も多いため、日本語の表現チェックと量に対する対応が課題になっていました。さらに現在、ラインアップの見直しを進めており、人の能力要件(コンピテンシー)に関する約300本の基本となるコンテンツを1年で一気に制作しようと計画しているところです。これまでも年間100本程度の制作は行っていたのですが、それを大幅に超えるペースとなるので、大量の校正をどうしようかと検討しているタイミングでもありました。

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――動画の中では、どのような文章に対して校正を行うのでしょうか?

花木 まず動画を収録する前に、講師や監修者と当社で執筆したシナリオ原稿、動画に投影する資料などのスライドをTypolessで校正しています。講師が話す内容は基本的に全て字幕で表示するため、1つの講座が約60分として、数千以上の文字量となります。そのほか、LMS(学習管理システム)に掲載する講座の概要文や設問、その解説文なども校正しています。

――動画コンテンツにおける校正の意義について教えてください。

花木 コンテンツの正確性は非常に重要で、誤字が1つあっただけでもコンテンツ全体に対する信頼性が揺らぎます。特に字幕を入れると、字幕の誤字はもちろん、講師の言い間違いまでを文字にすることになり、誰にでもわかる形で間違いや問題点が“見える化”されてしまうことになります。こういったこともあり、映像コンテンツにおいても文字校正の重要性が増し、より慎重にチェックする必要が高まっているという状況です。私たちのサービスを利用していただくのは人事・教育担当の部署で、社内のハラスメント教育なども所管するため、誤字・脱字だけではなく、炎上するリスクのある表現などにも気をつかわなければなりません。

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文法や表現のよりどころができ、校正業務の負担を軽減

――「Typoless」を使う以前には、どのような課題がありましたか?

花木 映像制作における校正作業は、撮影前にはシナリオとスライド原稿に対して、仕上げ段階(映像編集後)に最終版のスライドと字幕、そして完成後に映像全体に対して行うのですが、仕上げの段階以降で文章の誤りが発覚すると、再編集や場合によっては再収録をする必要に迫られることになります。校正はスタッフのチェックの後、最終的に監修者と私が行っています。しかし、校正する対象が多く、繁忙期には社外にも依頼してはいますが、なかなか校正を任せられる人が見つからないというのが課題でした。ビジネス教育の各テーマに関する知識がないと校正ができないのですが、そういった方々は校正の専門家ではないし、炎上表現に関する専門家でもないので、校正をかけてもチェックの目をすり抜けてしまうリスクがありました。また、講師や監修者からは独自のフォーマットで資料が出てきますし、校正対象となるデータもシナリオやスライド、映像というように形式も様々なので、どのように校正するか、レギュレーションを我々で決めるのも大変でした。

――「Typoless」の採用を決めた理由を教えてください。

花木 校正をどう効率化しようかという悩みは慢性的に抱えており、校正サービスを何個か試したことがあったのですが、実務で使えるものではないという印象でした。たまたまスタッフの一人がTypolessを見つけ、ウェビナーのデモを見ると非常にわかりやすく、使い勝手がイメージできました。PDF校正への対応も始まったタイミングだったので、「十分に使えそう」とトライアルを始めました。

特に、炎上リスクが含まれる表現に関するアラート(炎上リスクチェッカー)は、他のサービスでは見たことがなく、大きなポイントになりました。どこまでの表現がアウトになるかの基準は、我々では判断できないため、非常に重宝しています。人間にはアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)や本人が気づかない偏見もあり、これは校正者にもあるわけなので、企業がそのリスクに気づかないまま商品にしてしまうわけにはいきません。人によって異なる炎上の基準を、新聞社のレギュレーションで示してくれるのはありがたいですね。

もう一点、非常に重宝しているのは、監修者が修正に納得しないような場合でも、朝日新聞のレギュレーションということで説得力を持たせられることです。マスメディアとしての線引きがあることを示せば、我々から余計な説得をしなくても済みます。

――導入後は、どのような変化がありましたか?

花木 私を含む制作チームの5人で運用しており、校正はほぼ現場スタッフで済ませられるようになりました。例えば現場のデザイナーは、あくまでもデザイナーであって、文章表現や文法の知識、校正能力を求められてきたわけではありません。また、これまでそういった訓練を受けてきたわけでもありません。こういった校正の素人だらけで、文法や表現に対するよりどころがなかったところに、一つの基準ができたことは非常に大きな意味がありました。最終的な映像チェックを監修者と私が行うことは変わりませんが、それ以外の工程は全て任せられるようになりました。撮影前の段階で特にスライドに関して早めに校正チェックと修正ができるようになったことで、再編集などの手間が減ったことがもっとも大きいと思います。

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制作の上流に生成AI、仕上げに「Typoless」という使い分け

――コンテンツ制作に生成AIの導入を進めているとのことですが、「Typoless」と生成AIをどう使い分けていますか?

花木 制作の上流の部分、たとえばシナリオの初稿のアイデア出しなどには生成AIを使っています。しかし、言葉の最終チェックに関しては、ハルシネーション(人工知能が事実とは異なる情報を生成する現象)が起きる可能性のあるシステムに委ねるわけにはいきません。文章を最終的に仕上げる「最後の砦」のところは、Typolessのような専用システムに任せるべきです。

教材で生成AIのプロンプト(命令文や質問)の書き方についてのコンテンツを制作して、生成AIの有用性と同時に、使いこなす難しさを実感しました。文字の校正を生成AIにやらせるためには、プロンプトを大量に書き込まなければ正確性を向上させることは難しいので、その時間を他の業務に充当した方がいいと思います。

――貴社ならではの校正の特徴は何だと思いますか?

花木 様々な種類のファイルが校正対象になることが特徴だと思います。シナリオはWord、スライドはPowerPoint、LMSに登録する文章はExcel、字幕はsrt(テキストデータ)、配布資料はPDFとそれぞれフォーマットが異なりますが、Typolessがこれらのファイル形式に対応しているので、校正がスムーズに行えています。Excelで「選択部分だけの校正ができないか」など、個々の細かな要望はありますが、今後の開発で改善されていくと思いますし、新たにリリースされたPDFの差分表示チェック機能にも期待しています。

――今後の「Typoless」の活用の方向性についてお聞かせください。

花木 コンテンツの数を増やしていくうえで、映像制作のフローも生成AIの導入などによって変化しつつあります。その新しいフローの中のどの工程でTypolessを活用するかを、まずは決めていきたいと考えています。

――将来的には「Typoless」にどのような機能を期待していますか?

花木 人名の辞書のようなものがあったら助かります。制作するコンテンツの中には歴史をモチーフにしたものも多いのですが、戦国武将の「浅井長政」と「朝倉義景」の「あさ」が逆になっているなど、社内ではチェックが難しいケースもあります。「ピーター・ドラッカー」のようなマネジメント分野で必須の人物についてはカスタム辞書に登録しておきたいところですが、自前で辞書を作る余裕はないというのが現状です。

また、文脈を読み取って校正してほしいという要望は、他社でも多いと思います。映像コンテンツの場合は、文章がリニア(直線的)に流れて、前に戻ることができません。文中に出てくる「それ」「これ」は、画面が変わっていると何を指しているのかわからないことがあり、なるべく使うのは避けたいところです。句読点の有無や位置で意味が変わることも多いので、文章の種類や目的に合わせた校正のアプローチが増えるとうれしいですね。

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サイコム・ブレインズ(MBK Wellness株式会社 サイコム・ブレインズ事業本部)

1986年の設立以来、階層別研修やグローバル人材育成など社会人教育のパイオニアとして、企業の人材育成を支援している。また管理職教育からDX人材育成まで、幅広いテーマで映像コンテンツ事業を展開。学習者中心の「ラーニング・エクスペリエンスデザイン」を軸に、大手企業を中心に約600社・30万人以上の研修を手掛けてきた。2025年8月の会社合併に伴い、サイコム・ブレインズ株式会社から、MBK Wellness株式会社のサイコム・ブレインズ事業本部に組織変更した。

【URL】
https://www.cicombrains.com/

【ビジネスマスターズ】
https://bm.cicombrains.com/